NBA労使交渉の現状と今後の見込み

レイカーズを中心にNBAの話題をロサンゼルスから。


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NBA労使交渉の現状と今後の見込み

NBAは、東時間7月1日午前12時に、ロックアウトに突入ました。労使交渉の最大の問題点は、サラリーキャップと、契約年数の短縮です。サラリーキャップは、オーナー側が、現在のソフトキャップ制度を廃止し、ハードキャップ制度の導入を求めています。オーナー側は、ギャランティー契約の廃止も求めていましたが、これは取り下げました。

NBAファン歴が短い方、アメリカのプロスポーツに親しみの無い方にも分かり易いよう、まず、ハードキャップとソフトキャップのおさらいから始めます。ハードキャップというのは、プレーヤーのサラリーの合計が、サラリーキャップの額から、1セントたりとも超えてはいけない制度です。それに対して、昨シーズンまでのNBAが導入していたのは、ソフトキャップと呼ばれ、一定のサラリーキャップが決められていますが、それを超えても、超えた額に等しい、ラクシャリータックス(贅沢税)と呼ばれる罰金されリーグに支払えば、いくら超えても問題ありません。

NBAのソフトキャップの問題点は、ビッグマーケットと呼ばれる大都市のチームと、スモールマーケットと呼ばれる小都市のチームの格差が出ることです。ビッグマーケットのチームは、キャップを大幅に超えて、ラクシャリータックスを支払っても、十分利益がでます。大都市は、人口が多いので、ゲームのテレビ中継の視聴者も多く、放映権料が高いです。又、人口が多ければ、グッズの売り上げも上がります。その上、大都市には富裕層が多いので、チケットが高く売れます。ステイプルズセンターでのレイカーズ戦では、コートでプレーしているプレヤーより、観客の方が、稼ぎが多いと言われています。ミネソタやオクラホマシティーでは、そういう訳にはいかないです。

収入が少ない、スモールマーケットのチームが、FA市場で、ビッグマーケットのチームと、対等に競合するのは、不可能に近いです。そこで、スモールマーケットチームのオーナーは、全チームのサラリー額を一定にすることで、平等に競争できる様、ハードキャップ制度の導入を求めています。ハードキャップ制度の要求は、スモールマケートのチームのオーナーが強硬派で、オーナー側が、ソフトキャップでも全く問題ないビッグマーケットチームのオーナと、二分されている状態です。

プレーヤー側は、ハードキャップ制度が導入されると、サラリー額が限定されてしまうので、強行に反対しています。そこで、考え出されたのが、フレックスキャップと呼ばれるシステムです。フレックス(flex)というのは、「柔軟な」「融通が利く」という意味の「flexible」という単語から派生しています。

これは、現在の様にソフトキャップで、キャップ額を超えた場合は、ラクシャリータックスを支払うシステムですが、現在のシステムと違って、ラクシャリータックスを支払っても、超えてはいけない限度額を設けるシステムです。 オーナー側は、これはハードキャップに当たらないと主張していますが、プレーヤー側は、サラリーの総額が、一定額を超えてはいけないという点で、ハードキャップと同じと、導入に反対しています。

契約年数の短縮については、殆ど報道されていないので、どの様な論点になっているかは、不明です。

サラリーや契約年数とは別に、CBA締結後に1回だけ導入されると思われるシステムもあります。2005年の新CBAの際に、ラクシャリータックスの支払い軽減の為、各チームが、プレーヤー1名を、解雇することが許されました。解雇をしても、契約通りのサラリー支払い義務があり、サラリー額は、キャップからは外されませんでしたが、同額のラクシャリータックスの支払いを免除されました。

余談ですが、このルールは、主に、ラクシャリータックス支払い額が多かった、ニューヨークの救済のために作られたもので、高額のサラリーながら、怪我のため欠場が続いていた、アラン・ヒューストンを解雇すると予想されていたので、アラン・ヒューストン・ルールと呼ばれました。ところが、ニューヨークは、ヒューストンの引退を予想していたため、ヒューストンではなく、ジェローム・ウィリアムスを解雇しました。レイカーズは、シャックとのトレードで、マイアミからやって来たブライアン・グラントを解雇lしました。

これと同じ様なルールが、新しいCBAでも適用されることが予想されます。チームから解雇されても、サラリーは満額支払われるので、これについては、プレーヤー側も、争わないと思われます。

ロックアウトの期間については、かなり長引くものと思われます。ロックアウトは、かなり前から予想されていたので、選手会は、プレーヤーに、それを見込んで、貯金をしておくように、呼びかけていました。オーナー側は、殆どが、本業が別にあり、NBAのビジネスは、副業の様なものなので、シーズンがなくても、生活に困ることはなく、長期戦も辞さない構えです。

アメリカでは、殆どの企業が、月に2回、給料を支払います。支払い日は、30日又は1日と、15日又は16日です。NBAでも、給料支払いは、月に2回で、シーズン中だけ支払われるのではなく、年俸を24回に分け、11月15日から、翌年の11月1日までに支払われます。今年の11月1日までに支払われる給料は、昨シーズン分の給料なので、ロックアウト中でも、11月1日までは、ロックアウトが無いのと同じ状態で、給料が支払われます。

そこで、プレーヤーは、ロックアウト中は、コーチ、トレーナー、医療スタッフ等の、球団職員と連絡が取れないとか、球団の練習施設が使えないとか、不便ではありますが、経済的な痛手は、11月15日に、給料の支払いがなかった時点で、初めて感じます。現時点で、プレーヤーにとって、少なくても経済的には、来週解決しても、10月に解決しても、大差が無いので、危機感が無いです。

オーナー側は、ロックアウト中は、シーズンチケットが販売できないのと、来シーズンの日程が決まらず、その為、テレビの放映権料が入ってこないので、プレーヤーよりは早く、経済的痛手を感じます。

お互いに、痛手を感じ始めないと、交渉は進まないと見られています。そこで、NBAが、予定通りにシーズンを開始する可能性は、まずないというのが、大半の見方です。


Ranking 1

2011/07/03 15:24  NBA | コメント(7)
nbaマニアさん、こんにちは。
そう言われて、もう一度記事を読んだら、おかしいですね。ラクシャリータックスのキャップを超えたら、タックスをしはらうが正しいです。レイカーズは、いつもタックスのキャップを越えているので、全然気にしないのですが、サラリーキャップを超えていても、タックスのキャップを超えていないチームはありますよね。
[ 2011/07/12 14:20 ] [ 編集 ]
キャップ制度とタックス制度を混同していませんか。両者は別の制度です。キャップを超えてもタックスは支払う必要はありません。
[ 2011/07/10 14:00 ] [ 編集 ]
コメントを下さった皆様、こんにちは。
>>天使の街の湖軍団好きさん

お久しぶりです。

人間ってそういうものですよね。来週解決しても、来月解決しても、大差なかったら、解決しようというモチベーションがないです。シーズンが全部なくなる可能性もありそうです。

お察しの通り、ハードキャップが導入されたら、2-3年は、移行期間の様になりますが、それを過ぎたら、キャップに合わせるためのトレードが必要になります。NFLがそういう状態です。


>>カンエイさん

お久しぶりです。

フレックスキャップは、ご理解の通りです。今までにないものなので、説明が難しかったです。

中途半端に解決すると、次回も又揉めることになるので、しっかり話し合って、解決して欲しいです。

大都市と小都市の差は、法律で決まっている訳ではないですが、トロント、クリーブランド、ミルウォーキー、シャーロット、サクラメント、メンフィス、ニューオリンズ、サンアントニオ、デンバー、ミネアポリス(ミネソタ)、オクラホマシティー、ポートランド、ソルトレイク・シティー(ユタ)が小都市だと思います。

インディアナポリスは、境目くらいですが、インディアナは、バスケットボールが盛んな所なので、大都市に入れてもいいかもしれません。



>>ゆ~すけさん

サラリーが制限されても、スーパースターは困らなくて、それ以外の人たちが困るので、仰る通り、一番の高給取りには、説得力がないです。ハードキャップになったら、コービーとパオと二人でプレーしないといけないです。


>>オカさん

長引くと思います。オーナー側は、サラリーのシステムを、調整するというより、全く変えたいようなので、プレーヤー側は、かなり抵抗すると思います。下手したら、シーズンが無いかもしれないです。
[ 2011/07/05 17:06 ] [ 編集 ]
ケビン・デュラントが「ロックアウトがどれだけ長く続こうと、我々は戦い続ける。妥協するつもりはない」と(サンダーのチームの選手代表の立場もあると思いますが)強気の発言をしたり、選手会理事のクリス・ポールも「我々はこの事態を数年前から予想していた。僕はチームメートや、チームに入って来たばかりの若い選手たちにも、この事態に備えておけと言い聞かせてきた」とコメントするなど、長期戦に向けた発言をしていますので、交渉は長引きそうな予感がします。

ただロックアウトが長引いても選手・オーナー・ファンの誰も得しないので早く交渉が進むことを望みます。
結局はNBAでも欲深い金銭闘争があるのかとファンが離れてしまうことが一番怖いです。
[ 2011/07/04 20:58 ] [ 編集 ]
コービー師匠あたりが
『俺達はバスケットボールをプレイするのが仕事なんだぜ!!
さぁくだらない話をするための背広を脱いでユニフォームに着るんだ!!』
みたいな事言って収束したりしないでしょうかね。
まぁ一番の高級取りに言われてはなんの説得力もないですがw
ハードキャップ導入されたら師匠で半分くらいになったりしますよねw
[ 2011/07/04 16:42 ] [ 編集 ]
お久しぶりです
教科書に載せたいぐらいわかり易かったです。

フレックスキャップは、つまり二重の限度額(サラリーキャップとしての限度額・ラクシャリータックスとしての限度額)を設けると考えて良いのでしょうか。

コービーがスペインでプレイしてみたいというような事を言っていた時期から、避けられないのは覚悟していました。
大切な問題だと思うので、納得のいく解決を目指して欲しいです。

質問何ですが、アメリカの都市のマーケットの規模の違い(どこが小都市にあたるのか)を簡単でいいので教えて下さい。大都市は大方知っていますが、どこからが小都市のチームなのかが曖昧なので・・・
大雑把で良いのでお願いします。
[ 2011/07/04 07:10 ] [ 編集 ]
ハードキャップが導入されると
非常に分かりやすい解説でした。
ロックアウトを迎えても、
両者が経済的損失を被るまで時間差があるわけですね。

プレシーズンどころか、
シーズン前半の正常開催は相当厳しいということですよね…
困ったなあ…

選手会側が妥協した方が…という意見もうなずけるのですが、
レイカーズのようなチームはハードキャップ、あるいはフレックスキャップが施行された場合、プレイヤーの解雇や、露骨なサラリー削減トレードが必要になってくるのではないのでしょうか?

現状のチームの解散の可能性が出てきてしまうのかな…と。

どうなんでしょうか。
[ 2011/07/04 01:18 ] [ 編集 ]
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